株式会社のつくりかた(3)
株式会社のつくりかた(3)
株式会社の基礎知識②
《このブログのまとめ》・会社の名前はよか名前にせんね。会社の目的はどーすっと?・実際に定款ばつくってみてちゃー。
テイカンってなんですか?
みなさま、こんにちは。
株式会社五識(ごしき)代表取締役の田中臣治(たなかしんじ)です。
今回も、株式会社についてのきほんの「き」です。
ご存知の方は、すっ飛ばしてください。
大企業のホンモノの定款を見てみましたか?
お気づきになったと思いますが、最初に「商号」があります。
○○株式会社と称する。英文ではMaru-maru Corporationと記す。
当然ですが、すでにある大企業の名前や商品名をパクることはできません。
『株式会社ミ●キーマ●ス』なんてあり得ないですね。
法人の名称を検索することもできます。
[国税庁法人番号公表サイト]をググってみてください。
自分の会社なので、しっかりと考えて、良い名前をつけてあげてください。
ちなみに、Googleで[社名占い]と検索してみると、一生懸命考えた名前を全否定されることもあるので、気をつけましょう(笑)。
定款では、社名の次に「目的」の項目があります。
結論から書くと、将来的にやりたいことをいくつでも書くことができます。
前回のブログに一例として挙げた大企業では、
自動車の会社なのに「教育、医療、スポーツ、観光、展示場、娯楽施設ならびに飲食、宿泊、売店等の施設の経営」など。
電力会社なのに「放送事業」や「ホテル事業」など。
そして最後に、多少の書き方の違いはありますが「前各号に付帯関連する一切の事業」とあります。
これを入れておくと、微々たる違いも包含されますので、「目的外」ということは起こりません。
目的がはっきり決まっているのであれば、あなたの気持ちを「目的」として、そのまま書けばいいと思います。
職業の名称がわからない場合は、Googleで[日本産業分類]と検索してみましょう。
とても細かいのですが、自分に合った「○○業」が見つかるはずです。
定款の内容を変更するためには、たとえ1文字であっても数万円の登録免許税等の費用が必要です。
いろんなことをやりたい場合は、全部詰め込むつもりで記載しておきましょう。
ただし、多すぎても「信用」低下につながります。
「本店の所在地」は、自宅でもOKです。
賃貸アパートや賃貸マンションでは、事務所としての使用を認めない所もありますし、引っ越すたびに「本店の所在地」が変わるので、場所選びも大切です。
十分な利益が出るような事業であれば、「本店」を「六本木ヒルズ」にしても良いかもしれません。
「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」は、わかりにくいのですが、「資本金」ではありません。
「発起人」や「出資者」によっては、土地を提供してくれる人もいるかもしれませんし、国債などの有価証券を提供してくれる人もいるかもしれません。
土地や有価証券は、厳密には「資本金」ではありませんので、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」と書くことで、幅広い出資を受け付けることができるのです。
「発起人の氏名又は名称及び住所」は、発起人全員分必要です。
わたしの場合は、1人だけですので、自分の住所と名前を書きました。
発起人の「名称」とありますので、別の法人が「発起人」でも構わないということです。
「定款」をつくってみる(1)
では、「あなたの『会社の憲法』」をつくってみましょう。
この憲法の制定者はあなたです。
あなた好みで、『私の会社はこんな会社にしたい!』という思いをぶつけましょう。
★印は「定款」に必ず記載すべき項目です。
まずはあなたの会社の名前の宣言です。
株式会社■■ 定款
第1章 総 則
★(商号)
第1条 当会社は、株式会社■■と称する。
次に目的と本店の所在地です。
下記の例は3つだけですが、いくつでも構いません。
目的が何十個もあり、とりとめもないと信用度は低下します。
また、本店の所在地は市町村(行政区)まで書き、細かい地名や番地は不要です。
★(目的)
第2条 当会社は、次の事業を行うことを目的とする。
1.■■■■業
2.■■■■業
3.前項各号の事業に附帯又は関連する一切の事業その他前項の目的を達成するために必要な事業
★(本店所在地)
第3条 当会社は、本店を■■■■に置く。
例:北海道札幌市北区(あいの里)/愛知県刈谷市(井ケ谷町)/徳島県鳴門市(鳴門町)など
↓ここからは、必要があれば記載する項目です。
(公告方法)
第4条 当会社の公告は、■■に掲載する方法により行う。
■■には、官報、新聞名、ホームページ(URL)のいずれかが記載されます。
第2章 株 式
(発行可能株式総数)
第5条 当会社の発行可能株式総数は、■■■株とする。
■■■には、100株でも、10000株でも構いません。
現時点での「発行可能株式総数」を決めてください。
(株券の不発行)
第6条 当会社は、その株式に係る株券を発行しない。
(株式の譲渡制限)
第7条 当会社の発行する株式は、すべて譲渡制限株式とし、当会社の株式を譲渡により取得するには、当会社の承認を受けなければならない。
2 前項の承認機関は、株主総会とする。
株券を作成するだけで、安いとは言えない金額が吹っ飛んでいきます。
大企業では、株券をつくらず、信託銀行等に株主名簿の管理を任せています。
小さな会社では、PC内のデータで十分だと思います。
「譲渡制限」は、勝手に株式を売ってはいけないというルールです。
近いうちに、自分自身が、他人に承継するのであれば必要ないかもしれません。
しかし、『乗っ取られてしまうのはイヤだ!』という人は記載しておきましょう。
「株主総会」は、次回から出てきます。
(株主名簿記載事項の記載等の請求)
第8条 株式の取得により株主名簿記載事項の株主名簿への記載又は記録を請求するには、株式取得者とその取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人が、当会社所定の書式による請求書に署名又は記名押印し、共同してしなければならない。
(質権の登録及び信託財産の表示)
第9条 当会社の株式につき質権の登録又は信託財産の表示を請求するには、当会社所定の書式による請求書に当事者が署名又は記名押印して提出しなければならない。その登録又は表示の抹消についても同様とする。
(手数料)
第10条 前2条に定める請求をする場合には、当会社所定の手数料を支払わなければならない。
(株主の氏名等の届出)
第11条 当会社の株主及び登録された株式質権者又はそれらの法定代理人若しくは代表者は、当会社の定める書式により、その氏名、住所及び印鑑を当会社に届け出なければならない。届出事項に変更を生じたときも、その事項につき同様とする。
あなたの会社に出資者がたくさんいたとします。
もしも、その出資者の1人が亡くなった場合は、相続人があなたの会社の株主になります。
そういう場合のルールだと思ってください。
わたしの会社は、発起人も「わたし」、取締役も「わたし」、株主も「わたし」なので、必要ないんですけどね😁。
ちなみに、第10条の「前2条」というのは、8条と9条のことです。
続きは次回に。
またお会いしましょう。